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環境・社会のための製品

当社グループでは、「伝える」「彩る」「守る」製品の提供を通じてサステナブル対応を目指します。
サステナブル対応製品を環境負荷低減製品・社会貢献製品の2軸に分け、広く社会に貢献することを目指します。

環境負荷低減製品

環境負荷低減製品とは、ライフサイクルアセスメントの考え方に基づき、原料における省資源化、製造過程での省エネ、環境負荷の軽減を目的として開発された製品になります。

1.バイオマス材料の活用

バイオマスとは、動植物から生まれた再生可能な有機資源のことであり、当社グループは、これらの材料を積極的に採用することで炭酸ガス排出抑制および石化資源使用削減に貢献します。

  • 1. ライスインキ:
    PULPTECC/LAMITECC

    非食用部部分の米ぬか原油を利用した環境調和型グラビアインキです。
    米ぬか原油は、日本が誇る自給率100%(食用)の米を使用した唯一の国産バイオマス原料です。

  • 2. 高バイオマスオフ輪インキ:
    ウエブアクタス ガイア® VLC

    乾燥性能面からバイオマス度を上げることが困難だったオフセット輪転インキにおいてバイオマス度60%以上を実現、オフ輪印刷の乾燥工程で排出されるCO2の100%カーボンニュートラル化に成功しました。
  • 3. 脱プラ・紙化対応インキ

    プラスチック削減が求められているパッケージ市場において紙化のニーズが高まっています。
    紙に耐水耐油性、シール性、透明化などの機能を付与する各種グラビアコーティング剤により、包材の紙化を提案します。

2.省エネ・省力化の推進

当社グループは、材料・配合設計における環境負荷軽減に加え、顧客ニーズに応える省人化・省エネに貢献する製品の提案をシステムと合わせて提案します。

  • 1. リキッドカラー:
    HiFormer®

    着色マスターバッチ製造時の加熱押出が不要のため、電力を最大98%削減し、成型時のロスを削減、成型現場の省人化も可能になり、サプライチェーンのCO2排出量削減に貢献します。
    リキッドカラー専用供給装置(「スマコフ」)と合わせ提案します。
  • 2. UVオフ輪インキ/UV枚葉水無しインキ/UV枚葉ニス

    溶剤蒸発により乾燥する方式に比較し、紫外線照射により瞬間硬化するUV印刷は、少ない環境負荷と操作性の良さから普及が進んでいます。次世代CO2削減技術としてUVオフ輪インキ、UV枚葉水無しインキ、UV枚葉ニスを周辺装置と合わせ提案します。
  • 3. 産業用インクジェットインク:
    TIC-JET®

    大量、高速生産に適した従来の印刷、塗装方式に比較して、インクジェットは装置がコンパクトでオンデマンド出力が可能なため、ロスが少なく省エネ、スキルレスも可能な次世代の環境対応技術として注目されています。
    TIC-JET®はこれらをシステム提案することで新たな価値を拓きます。

3.リサイクル・生分解・モノマテリアル

合成樹脂製品は3Rに加え海洋プラスチックごみ削減など環境対応が求められています。
当社グループは、合成樹脂に練り込む機能性添加剤、グラビアで印刷するコーティング剤の両面でリサイクル、モノマテリアルのニーズに応え、生分解樹脂の普及も促進します。

  • 1. リサイクル成形加工助剤/マテリアルリサイクル用相容剤マスターバッチ

    リサイクル合成樹脂の成形時の熱劣化による焼けや変色を抑制、加工性を向上させる添加剤、マテリアルリサイクル時に異なる樹脂同士の相容性を向上させる添加剤などを開発、再生プラスチックの使用を促進します。
  • 2. 生分解性樹脂用マスターバッチ パウダーレジン

    生分解性プラスチックは、最終的に水と二酸化炭素に分解される特徴を有しているため、従来の化石資源由来のプラスチックに比べ、プラスチックゴミの削減に繋がります。
    生分解性プラスチック市場は拡大傾向にあることから、生分解性プラスチックに適した各種マスターバッチを取り揃えています。
    当社グループは海洋プラスチックごみ問題の解決に向けた団体CLOMA(Japan Clean Ocean Material Alliance)に加盟しています。
  • 3. モノマテリアル化の推進

    持続可能な社会の構築に貢献するため、リサイクルに対応可能でラミネート工程が不要なパッケージのモノマテリアル化のニーズが高まっています。
    当社グループは酸素バリア性、遮光性、耐熱性などを付与するグラビアコーティング剤、機能性マスターバッチにより、包材の単一素材化を提案します。

社会貢献製品

社会貢献製品とは、安全で住みやすい社会の実現のため、防災、水資源確保、農業の発展、感染症対策といった視点から、製品に高い機能性を付与して開発された製品になります。

1.自然災害対策

地球規模で進む気候変動に伴い、防災、減災のニーズが高まっています。
また、東日本大震災の復興事業を通じて、環境負荷が少なく、短い工期で済む工法が要望されています。
当社グループは永年培った合成樹脂の技術を生かし、各種土木資材を工法と合わせ提案しています。

  • 1. ジオセル(グランドセル®/テラセル®)のり面保護工法

    ジオセルはプラスチックシートを立体形成した、ハニカム状土壌安定枠となります。
    ジオセルをのり面に設置し、中詰材を充填することで、のり面の浸食対策と緑化の両立が可能になります。
    コンクリートを使用する工法に比べ、軽量であるため搬送の負荷が軽減でき、CO2排出の低減に貢献、施工性にも優れています。集中豪雨などの影響により不安定になっている道路のり面の復旧に貢献します。

  • 2. セルアンカー®/セルジョイント®

    ジオセル同士を現場で容易に接続する部材「セルジョイント® 」、現場で使用している異形鉄筋杭に代わるプラスチック杭「セルアンカー® 」を開発、施工性が向上しました。
    素材を金属からリサイクル樹脂に代えたことにより、施工後の錆による腐食の心配がなくなり、安全性の向上を図りながら使用済みプラスチック製品の資源循環が可能になりました。
  • 3. 工法開発

    ジオセルを使用した新工法「グランドセル®砕石舗装工法」の開発を進め、国土交通省新技術採用システム「NETIS」に登録し、強靱なインフラ整備、防災、減災に役立つ環境にやさしい製品を開発しています。

2.暮らしの安心・安全

フィルムに鮮度保持、紫外線吸収などの機能性を付与し、食品の賞味期限を延長、食品ロス削減に貢献しています。
また、抗ウイルス、抗菌性などを合成樹脂の添加剤、コーティング剤の両面から提案します。
医療用グレードの材料も取扱い、機能性資材で広く社会に貢献します。

  • 1. 抗菌・抗カビ・抗ウイルス グラビアコーティング剤 抗菌ニスSCP

    感染症防止のニーズに応え、コーティング、合成樹脂材料により機能性を付与する製品を開発しました。
    グラビアコーティング剤は一般社団法人抗菌製品技術協会(SIAA)マーク表示基準に適合しています。
    抗菌ニスSCPは廃棄されていたホタテ貝殻由来の抗菌剤を使用、簡易なニスコーターで塗布が可能です。
    抗菌剤マスターバッチは合成樹脂に耐熱性、安全性が高い銀系無機物を練り込み、細菌の増殖を抑制します。
  • 2. 鮮度保持剤マスターバッチ/紫外線吸収剤マスターバッチ

    生鮮野菜や青果物から放出される炭酸ガス、水分、エチレンガスをフィルムに吸着させ、長時間にわたり青果物の鮮度を保持したり、フィルムに紫外線カット機能を付与させることで、食品の賞味期限を延長、食品ロスの低減に貢献します。
  • 3. メディカルグレードマスターバッチ

    最新版の医療機器用品質国際基準に適合した合成樹脂材料を提案。
    クリーン度クラス10万以下の環境下での造粒押出加工により高品質な製品供給を実現し、医療用包材、材料の安定供給に貢献しています。
    化学防護服や手術着に使用可能な通気性の高い、ウイルスなどへのバリア性を有するフィルム製膜もおこなっています。

3.各種機能性

水資源、農業資材から放射線測定樹脂に至るまで、当社グループの社会貢献製品の分野は多岐にわたります。
社会のニーズの変化に合わせ、持続可能な社会の実現に向け開発を進めます。

  • 1. 水処理用資材

    野菜用、果物用のネットとして広く当社グループのネトロン®は広く利用されています。
    その成形技術を生かし水処理用資材の開発に注力しています。
    製品開発依頼の増加に伴い、金型設計から試作品の評価まで一貫して対応可能な体制を構築しています。
  • 2. EKエナジーキーパー®

    農業ハウスで作物を栽培するにあたり、光と熱が大きく影響します。
    EKエナジーキーパー®は種々の素材を複合的に組み合わせて、特殊な縫製加工をすることで、抜群の遮光性と断熱性を付与した多層断熱被覆資材(布団資材)になります。
    光と温度に敏感な作物の栽培に適しており、軽量であるため、作業性にも優れています。
    周年利用時の冷・暖房費の大幅な削減に貢献し、また、環境負荷低減に寄与します(EK普及拡大事業「みどりの食料システム戦略」農林水産省認定)。
  • 3. ルミネード®

    培ったプラスチックの加工技術を生かし、放射線測定用プラスチックシンチレータを開発しました。
    一般に使用されている液体シンチレータは測定後液体(カクテル)が放射性廃液となってしまい、その取扱いに課題がありました。ルミネードはカクテルレスでの測定を可能にしました。
    また、プラスチックシンチレータはカクテルレスによる測定バイアルの再使用が可能で、廃棄物の削減にも貢献します(2017年度 日本原子力学会 原子力知識・技術の普及貢献賞受賞)。