Tokyoink

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大塚

「SDGs時代の今になって『環境にやさしい印刷』として注目されていますが、私が新人だった頃すでに水なし印刷をやっている印刷会社はいくつかありました。実は歴史のある技術なんです。そもそもは高精細な印刷クオリティを実現できるということで開発された印刷方式です」

斎藤

「水なし印刷の『水』とは『湿し水』のことです。一般的な印刷では紙に湿し水が浸透するので、そのせいで紙が伸びて印刷再現性が損なわれるんです」

大塚

「版が大きければそれだけ紙伸びも大きくなりますから、見当が合いづらくなって結果見当ズレが起きます。その点、水なし印刷は紙伸びがゼロ。つまり見当ズレが起こり得ない印刷と言えます」

斎藤

「湿し水には揮発性有機溶剤(VOC)が含まれています。廃棄された有機溶剤が揮発し、大気中で紫外線などによって分解されると最終的には水と二酸化炭素になります。つまり温室効果が高まってしまうんです。水なし印刷では湿し水を使わないので廃水や廃液を大幅に削減できるというわけです」

大塚

「実際ここ数年、VOC FREEマークへのお問い合わせが増えています。東京インキでは東レ株式会社、株式会社エヌエーシーと連携して水なしインキの開発を進めてきましたが、東レの水なし版に最適化したUV OL アルックスというインキで刷った印刷物には、バタフライロゴと当社オリジナルのVOC FREEマークを併記していただくことができます」

斎藤

「こうしたマークが入っていなくても水なし印刷で刷られている印刷物はたくさんあります。でもマークが入っていることで、環境配慮に取り組んでいる企業かどうか買う側が見分けやすくなりますし、企業側も環境への姿勢を明確に打ち出したマーケティングやブランディングがしやすくなります」

大塚

「実は毎年12月10日の創立記念日に、東京インキでは自社製品が使われている記念品が配られるのですが、2022年はUV OL アルックスでパッケージを印刷したお菓子が記念品に採用されました。他の事業部の方や社員の家族にも『水なし印刷』を知ってもらえるとうれしいです」

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