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ニス
水性ファインコート シリーズ
WATER-BASED FINECOAT series-
水性の光沢コート用のニスです。
光沢、マット、耐摩擦性、耐水性、耐ブロッキング性を付与します。
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該当する導入事例
ニス
水性パピオコート
WATER-BASED PAPIOCOAT-
水性のプレスコート用ニスです。
剥離性、つぶれ性に優れます。
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該当する導入事例
ニス
AFUL シリーズ
AFUL series-
油性のアンカーコート剤です。
UVオフセット印刷適正、耐摩擦性、耐ブロッキング性が良好です。
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該当する導入事例
ニス
水性AFUL シリーズ
WATER-BASED AFUL series-
水性のアンカーコート剤です。
UVオフセット印刷適正、耐摩擦性、耐ブロッキング性が良好です。
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接着剤
水性SA シリーズ
WATER-BASED SA series-
プリントラミネートをはじめとした、水性の接着剤、ヒートシール剤です。
フィルムや紙の各種基材に対応します。
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接着剤
ハガキ用水性SA856
WATER-BASED SA-856 FOR POSTCARD-
水性タイプの紙ダイレクトメール用接着剤でVOCを含んでおりません。
マット調で筆記適性に優れます。
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総合カタログ
該当する導入事例
産業用インクジェットインク
産業用インクジェットシステム『TIC-JET®』
TIC-JET®-
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産業用インクジェットインクを掲載しています。東京インキが開発・販売する産業用に対応したインクジェットプリンター用インクは、環境に配慮したインクを、ヘッド、印刷装置と合わせて提案し、インラインでの高速生産をお客様ごとの各種素材で実現します。部品の印字やグラフィックス、検査の自動化などで導入・利用されている採用事例も紹介します。
目次
- 産業用インクジェットの基礎知識
- カスタマイズドインクジェットシステム「TIC-JET®」
- 産業用インクジェットの実用例、実績
- インクジェット用語、詳細
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- 産業用インクジェットの基礎知識
インクジェットは、製造・物流の様々な現場で重要な役割を果たし、実用化された事例も増加しています。インクの解説に入る前に、産業用インクジェットとは、その要素技術とは、この2点について説明します。
1. 産業用インクジェットとは
産業用インクジェットとは、一般に家庭用・オフィス用以外の用途で使用されるインクジェット技術を指します。具体的にはフィルム、金属、プラスチック、布、書籍、段ボールなどへの高速印刷で活用されています。本コラムでは特に紙、布以外の用途に絞って記載します。
2. インクジェットの3つの要素技術
① インクを吐出するヘッド
直径数ミクロンから数十ミクロンの微細なノズル(噴射口)が100~5000個程度(※)集積した、インクジェットの中核を成す最も重要な部品になります。皆さんのまわりにある家庭用のプリンターでは、印刷する際に左右に動く部分(キャリッジ)にヘッドが取り付けられています。ヘッドはプリンターと一体化している場合もありますが、産業用途ではヘッド単体で販売されていることもあります。ヘッドの種類により、どのようなインクが吐出できるか、写真画質が印刷出来るか、高濃度の絵が描けるか決まってしまうため、ヘッドの選定が産業用途では最も大切と言っても過言ではありません。(※一般的にピエゾ式インクジェットヘッドの場合)
② プリンター
皆さんが例えば年賀状を印刷する際、パソコンの画面上で作成した画像が一つの操作でプリンターから出力されてきます。ほんの数秒の過程で多くの処理が行われていることはご存じでしょうか。
⑴ インクジェットは微細な液滴の集合体で絵や文字を印刷しますので、まず画面データを微細な液滴で構成されたデータに変換します。
⑵ プリンターは搭載されたヘッドにこのデータを送信して液滴を吐出しします。
⑶ 紙をローラーではさんで送り込み、適切な速度でヘッドと紙を連動して動かします。
⑷ ヘッドにはインクタンクが連結されていて、専用のポンプを使って適切な量のインクを送ります。
上記の通り、前述した①のヘッド以外に、⑴画像を変換するソフトウェア(RIPソフト)、⑵ヘッドを制御するソフトウェア(ドライバー)、⑶紙を送るモーターやローラー、⑷インクを送るポンプやチューブ、これらを組み合わせて印刷できるようになっています。
③ インク
産業用インクジェットプリンターで使用されるインクには、印刷物の耐久性、文字や画像の視認性、特殊材料を含有させたセキュリティ性等に加え、ヘッドやプリンターとのマッチングが求められます。また、殆どのケースでは製造・物流現場ごとに求められる要求が異なります。下記にこれまでご要望のあった例を記載します。
⑴ 塗膜物性
塗膜物性は最も求められる内容が多様です。金属やプラスチックへの密着性や特定の薬品で拭いても脱落しない耐薬品性、段ボールで擦った際の耐擦過性や200℃の温度に耐えられる温度適性、人体の脂やハンドクリームでも落ちない耐油性などもあります。印刷物が屋外に設置される場合、太陽光による退色、風雨に晒された際の防水性が必要になり、特に建築材料やモビリティ向けの用途では厳しい耐候性の基準が設けられています。
⑵ 視認性
製造・物流の現場では製品のトレーサビリティに対する要望が多くあります。様々な要因でラベルシールを貼ることができない場合、製品に直接バーコードや文字を印刷することになります。プラスチックや金属の部品は様々な色に着色されているため、黒の金属に白色、青や赤のプラスチックに黒色の印刷をした際、紙ラベルと同等の読み取り性能が得られる、下地の色を隠す高い視認性をもつインクが必要になります。
⑶ 安全性・環境適性
近年、食品や医療包装など、印刷物が人体に接触する可能性がある用途でインクジェット化が検討されています。これらには生体への安全性の確保が必要で、各国ごとに設定された食品衛生法や各種規制への準拠が要求されます。また、印刷を行う環境での作業員に対しての影響度合いや、工場から排出されるインク由来のVOCやCO2に対する対応も必要になります。
⑷ セキュリティ性
トレーサビリティと合わせ、特に精密製品では複製品、模倣品の流通防止のため、特殊材料を印刷してセキュリティ性を付与する場合があります。顧客が特殊な材料を保有していても、インク化、インクジェット化をする技術を保持していないケースがあり、インクメーカー側で特殊材料をインクに含有させ、必要な測定機で検出可能な状態にします。
- カスタマイズドインクジェットシステム「TIC-JET®」
ここまで要素技術である①ヘッド、②プリンター、③インクの技術概要と、特にインクに求められる性能について触れました。
当社は20年近くそれぞれの会社、現場に合わせた1点物の、カスタマイズされたインクジェットシステムを提案してきました。この章ではカスタマイズドインクジェットとは何か、どのような導入の切り口があるのか、インクの選定方法と、最後にカスタマイズの必要性について解説します。
1. カスタマイズドインクジェットシステム「TIC-JET®」
当社はインクメーカーとしてこれまで「ニーズを製品にフィードバックする」をモットーに顧客ごとにカスタマイズされたインクを提案してきました。インクジェットは前述のヘッド、プリンター、インクの3つの要素が組み合わさった総合的な技術であり、インクのみをカスタマイズしても印刷ができません。産業用インクジェットシステム「TIC-JET®」は3つの要素を合わせて提案することで、現場の課題を解決することを目的にしています。
2. 導入の切り口
導入の検討を開始するにあたり、何を目的にするかを明確にすることが重要です。産業用インクジェットの導入により解決できる可能性がある現場の課題を解説します。
① 省人化、自動化、スキルレス
これまでの産業用印刷は、熟練工員の高いスキルに大きく依存してきました。スクリーン、グラビア、パッド、オフセット、これら既存の印刷方式はいずれも版に強い圧力をかけて、押しつけて印刷するため、圧力の調整や版の管理など、日常からのメンテナンスとオペレーティングスキルが必要になります。家庭用のプリンターを思い浮かべて頂ければわかりますが、インクジェットは一つの操作で稼働させることができ、スキルレスでの省人化、自動化が可能になります。
② 内製化、在庫レス、コストダウン
特に製造業にとって、外注費用と製品在庫の削減は大きな課題です。インクジェットは前述のようにスキルレスが可能になるため、印刷工程を内製化する際に熟練工を一から育成する必要がありません。また、必要な数量を必要な時に印刷するオンデマンド印刷や、異なるパターンが印刷できるバリアブル印刷により在庫数量の削減が可能になります。結果、外注費用やモデル切替時の廃棄費用の削減に繋がります。
③ 環境対応
工場から排出されるVOC、CO2の規制も近年大きな課題となっています。洗浄工程が少なく歩留まりが良好なインクジェットは環境負荷が低い印刷方式でもあります。また、後述するインクタイプによってはインク由来のVOC、CO2排出削減も可能になります。内製化による半製品の横持ち輸送の減少、トラックなどの削減効果も見逃せません。職場環境が改善することで、労働力確保などの課題にも対応します。
3. インクの選定
課題が明らかになり、既存方式からどの工程をインクジェットに切替えれば良いか明確になったら、最適なインクを選定します。求められる性能については既に触れました。ここでは産業用インクジェットで主に使用されるインクタイプ(溶剤、水性、UV、EB)について、それぞれの特徴を説明します。
① 溶剤インク
溶剤系インクは主に有機溶剤を主成分とするインクで、高発色、耐候性、耐水性に優れます。高い性能の顔料と組み合わせることで、鮮やかな色彩が長期間にわたり持続し、プラスチックなど非浸透素材へ優れた密着性を発揮、屋外広告やパッケージなどに使用されています。ただ、揮発性有機化合物(VOC)の排出により作業環境の悪化や大気汚染の懸念があることから近年は環境に配慮したエコソルベントインクが多く使用されています。
② 水性インク
水性インクは名前の通り水系の材料を主成分とするインクで、熱乾燥させることでインクを定着させます。インク由来のVOC排出を抑制、作業環境や周辺への影響を最小限にすることができる一方、大きな乾燥エネルギーとそれに伴う装置スペースが必要になります。電力・ガスを再生可能エネルギー化するなど、環境負荷を増加させないための配慮も必要です。プラスチックなど非浸透素材への印刷には技術的課題を解決しなければならない場合があります。
③ UV(紫外線硬化)インク
UV硬化インクは、紫外線をインクに照射することで瞬時に硬化する速乾性を持ったインクです。速乾性がもたらす利点としては生産ラインのスピードアップやコスト削減が挙げられます。非浸透基材にも適しているため多様な素材への対応力があります。また、ヘッドノズルでのインク揮発が少ないため、ノズルが詰まりづらくメンテナンス性にも優れています。従来の印刷で乾燥炉が設置されている場合にはUV硬化インクを使用することで乾燥炉が不要になり、省スペース・省電力に貢献します。
④ EB(電子線硬化)インク
近年EB硬化インクは、性能と環境対応の両面で注目されているインクです。UV硬化インクに必要な重合開始剤を含まず、硬化後のインク塗膜に未硬化のモノマーが残らないため、食品・医療包装など生体への安全性の確保が必要な分野での使用に適しています。他にも水性インクやUV硬化インクと比較して高速印刷時に熱の影響が少ないため軟包装材への活用や、滅菌性を生かした医療分野への展開も考えられます。
4. 何故カスタマイズが必要なのか
産業用インクジェットにおいて、要求される物性が厳しくなるほど、汎用のインクで対応することは困難になります。カスタマイズドインクジェット「TIC-JET®」はまず顧客の要求に合わせたインクを設計、その特殊インクが吐出できるヘッド、プリンターを機械メーカーと共に提案することで、これまで不可能だった特殊用途でのインクジェット化を実現します。
- 産業用インクジェットの実用例・実績
本項ではこれまで実用化された、公開可能な事例を紹介します。
1. 水回り部材用途
① 課題
社内スクリーンUV印刷にて水廻り部材に加飾していたが、製品の在庫場所確保と出荷管理業務の煩雑化、モデルチェンジの際の印刷済み製品の破棄が課題となっていた。
② 導入効果
UVインクジェット導入により印刷から出荷までの製品の在庫サイクルを1ヶ月月から3日に短縮、85%の製品在庫を削減。
③ 技術内容
構成:UVインクジェットの上からUVトップコートを塗布。
汎用インクでの結果:耐水試験実施の際、インク、トップコートの層間で剥離が発生し実用化に至らなかった。
カスタマイズのポイント:インクから発生するアウトガスを抑制しインク=トップコート間の密着を強化、実用化に至った。
2. ポリオレフィン系樹脂部材用途
① 課題
社内スクリーン印刷 にてポリオレフィン系樹脂部品に印刷していたが、現場スタッフの高齢化による事業持続性の不透明化と、少量多品種製品の増加による出荷業務負担が増大。
② 導入効果
UVインクジェット導入により社外工の活用が可能になり、基材種類を統一することで出荷管理と棚卸し業務を簡素化。
③ 技術内容
構成:ポリオレフィン系樹脂に前処理を施しUVインクジェットで印刷。
汎用インクでの結果:プライマー無しではポリオレフィン系樹脂に密着するインクは無く、耐薬品性も不十分だったため実用化に至らなかった。
カスタマイズのポイント:プライマー無しで密着し、表面硬度の高いUVインクを設計、精度の高い印刷を実現し実用化に至った。
3. 薬剤容器用途
① 課題
メディカル用途薬剤容器に、セキュリティバーコードを入れた紙ラベルを添付することで偽造防止対応を行っていたが、コードを模倣された偽造ラベルが流通、薬剤の販売に影響が出た。
② 導入効果
UVインクジェットを導入、紙ラベルに替わりプラスチック容器に直接コードを描画することで、紙ラベルを貼り付けた模倣品と明確な識別ができるようになり、偽造抑制に繋がった。
③ 技術内容
構成:円筒型のポリオレフィン系樹脂容器にUVホワイトでベタ印字、その上から黒でバーコード印字。
汎用インクでの結果:ポリオレフィン系樹脂に密着する白インク、及びバーコード読み取り適性が得られる黒インクが無く実用化に至らなかった。
カスタマイズのポイント:ポリオレフィン系樹脂に密着し、液体窒素浸漬にも耐える特殊なUVインクを開発、高濃度の白と黒を組み合わせることでバーコード読み取り適性に必要なコントラスト値を確保。セキュリティ対応と安定した読み取り適性を実現し、実用化に至った。
4. 外装建材用途
① 課題
新規で住宅外装材を開発、表層に石目などの意匠を付与し、少量多品種生産に対応するためインクジェットを検討したが、耐候性、基材・トップコート双方との密着適性を満たすインクが無かった。
② 導入効果
インク開発、UVインクジェットを導入することで新製品の発売が可能になった。
③ 技術内容
構成:外装材に使用される特殊素材に無機顔料を使用したUVインクで加飾、耐候性を付与したトップコートをインクの上から塗布。
カスタマイズのポイント:硬化性に課題がある無機顔料インクを特殊なUV素材により実現、硬化方法を組み合わせることで高い耐候性と演色性を実現した。
5. 塗装鋼板用途
① 課題
塗装鋼板部品への印字を外注のスクリーン印刷にて実施、外注、在庫費用の増大と、他品種の在庫を管理する業務が煩雑化。
② 導入効果
UVインクジェットを導入、スクリーン印刷での外注からインクジェットでの内製化に切り替えたことで生産コストを50%削減、在庫費用を90%削減した。また、17種類の印刷済み塗装鋼板の在庫から印刷前の塗装鋼板2種に在庫種類を削減し、在庫管理業務を簡素化した。
③ 技術内容
構成:塗装鋼板の上から黒、白のインクを印刷(トップコート無し)。
汎用インクでの結果:塗装鋼板に対して密着性が得られず、要求される耐熱性を満たすことができなかったため実用化に至らなかった。
カスタマイズのポイント:塗装鋼板に密着し、耐薬品、耐熱性の高い高濃度UVインクを開発、隠蔽性を付与し、実用化に至った。
6. 特殊用途
ガラス用インク:プライマーを使用せずガラスに対して密着
セラミック用インク:UV硬化に不利な多孔質セラミックに対し密着
レジスト用インク:金属に強密着するエッチングレジスト
7. その他対応可能な素材
紙類、オレフィン系樹脂(PP、PE)、PET、塩ビ、ポリカーボネート、ポリスチレン、ABS、ポリウレタン、ナイロン、アクリル、木材、各種金属。
用途:食品・医療用軟包材、紙・樹脂製硬包材、電子・機械部品、住宅設備・建材、光学部品、医療用消耗品、モビリティ・家電部品。
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- インクジェット用語、詳細
ここまでインクジェットの概要とインク選定、活用法と当社のこれまでの実績について記載しました。本章ではインクジェットで使用される用語やインクジェット独自のメリットについてあらためて取り上げます。
1. インクジェットヘッドの種類
全世界でインクジェットヘッドを製造しているメーカーは15社程度に絞られ、そのうち10社程度が日本に本社を置いています。各社ごとに特徴があり、産業用途ではヘッドの選定が重要であることは既に書きましたが、これらのヘッドは駆動方式により下記のようにわかれています。
① ドロップオンデマンド方式
家庭用、オフィス用の他、産業用でも最も広く使用されている方式です。インク液滴を必要な時だけノズルから吐出するため、(Drop On Demand=DOD)と呼ばれています。以下の2種に分かれます。
1)ピエゾ方式
圧電素子が変形してインクを押し出す方式です。選択できるインクの材料の種類が多く、多様な基材への対応力が高いことが特徴です。それぞれのヘッド構造や使用される材料によって適した用途が異なるため、製品やプロセスに最も合った選択肢を見極めることが重要になります。当社のインクジェットは主にこの方式を使用しています。
2)サーマル方式
熱で気泡を発生させてインクを吐出します。選択できるインクの材料が限られていますが、比較的安価に高解像度のプリンターを設計することが可能なため、家庭用、オフィス用で長らく使用されてきました。近年高速印刷が可能になり、書籍、チラシなどで普及が進んでいます。
② コンティニュアス方式
産業用途では製造日、品質保証期限などの印字に古くから使用されています。連続してインクを吐出し一部の液滴を偏向させることで画像を形成します。連続して吐出しているため(Continuous Inkjet=CI)と呼ばれています。一部の高精度のプリンターを除き画質が粗い反面、安定した高速の印字が可能です。産業用途、Industrial Inkjetと言うとこの方式のヘッドを搭載したマーキングプリンターを指す場合もあります。
2. プリンターの種類
必要な速度、画像の精度を決定する解像度、印刷する対象の形やサイズにより、プリンターはインクジェット特有の印刷方式により2種、印刷する対象を搬送する方式により2種にわかれます。産業用途では最適な方式を選択することが大切です。
① 印刷方式
1)スキャン方式
家庭用の小型プリンターのように、ヘッドを搭載したキャリッジと言われる印刷ユニットが左右に動き、インク液滴を重ねていくことで画像を形成します。高い精度の印刷や解像度の高いグラフィックスの再現に向いています。ヘッドが左右に走査することから(Scan)と呼ばれています。ただ、高速化に限界があります。
2)シングルパス方式
ヘッドが固定され、その下を印刷対象が通過することで印刷されます。一度だけ通過するだけで印刷が完了するため(Single Pass)と呼ばれています。高速化に適しているため産業用途では広く活用されています。解像度の高いグラフィックス用途では装置価格が高額になり、機械本体価格が1億円を超えるケースも珍しくありません。
② 搬送方式
1)フラットベッド、シート方式
板状の金属やプラスチックシートなど折り曲げることが難しい物や、凹凸があったり搬送時に印刷面に触れることができない物は、印刷対象を固定したまま印刷したり、ベルトコンベアーで搬送しながら印刷します。家庭用のプリンターも1枚ずつ用紙を搬送するためこの方式になりますが、産業用途では幅5mを超える板や、厚さ50mmを超える立体物など多様な印刷対象が多く、大規模な装置になることが多いです。平らな台に印刷するので(Flat Bed)、平らなシートに印刷するので(Sheet Feed)と呼ばれています。多様な形状に印刷が可能ですが、高速化に限界があります。
2)ロールトゥロール方式
新聞やチラシの紙、フィルムへの印刷はロール状になっているシートを高速で搬送させながら印刷します。ロール状のシートを印刷後に再びロールに巻き取るため(Roll to Roll=RTR)と呼ばれています。高速印刷に適していますが十分にインクが硬化していないと巻き取り後にシート同士が固着(ブロッキング、ウラ付き)してしまいます。また強度の低いシートは搬送中に切断する可能性もあります。
③ 各印刷方式と主な使用用途
各方式とインクジェットにおける主な使用用途をまとめると以下になります。

3. インクジェットのメリット
インクジェットは他の印刷方式に無い優れた点が多くあり、産業用途で近年実用化の事例が増えている大きな要因になっています。
① 非接触
インクジェット方式はインクを噴射し基材やメディアに定着させる非接触型の印刷技術です。オフセットやグラビア印刷では、版やローラーが基材に圧力をかけながら転写しますが、インクジェットはヘッドが基材に触れません。そのため、多様な素材や形状へ対応可能となり、例えば凹凸面や曲面への印字も実現できます。また、非接触であることから物理的な圧力が少なくデリケートな素材でも安心して使用することができます。
② 自動化、FA機器・搬送機との連携
産業用インクジェットプリンターはFA機器や搬送機との連携により、生産ラインの効率化を実現します。これらのシステムと組み合わせることで高速かつ正確な印刷が可能になります。また、各種センサーや制御装置と連携してリアルタイムでデータを取得することにより、色調、濃度、位置ズレ、ノズル抜けなどの異常を検出し自動補正を行うことで、印字の調整をインラインで制御することが可能になります。
③ オンデマンド印刷
オンデマンド印刷とは必要なときに必要な量だけ印刷ができることを指します。大量生産方式とは異なり必要な時に必要な量だけを生産できるため製品の廃棄を削減しコスト効率も向上します。これにより企業は在庫リスクを最小限に抑えることが可能になり、社内在庫の削減や外注費用削減に貢献します。小ロット多品種が求められる市場では生産の柔軟性が向上するとともに、デジタル制御システムと連携することで人的ミスを減少させ、製造ラインの効率化も見込めます。
④ バリアブル印刷・パーソナライズ
バリアブル印刷とは、印刷する内容を個別に変えることができる印刷のことです。オンデマンド印刷と組み合わせることで個別に必要な情報を印刷することが可能になります。この技術を活用することで、顧客名、住所、バーコード、QRコード、シリアル番号などを一枚ごとに変えて印刷でき、生産面では顧客ごとに異なる情報やデザインを簡単に印刷物へ反映させることが可能になります。
⑤ 無版化・版レス
インクジェットを含むデジタル印刷の特長として無版化があります。従来の印刷方式では必要だった版の作成工程が不要となり、生産時間とコストが削減されます。また、版を作る際の廃棄物発生もありません。有版印刷では印刷物の位置や柄を正確に合わせる見当合わせや色調整など、高度な技術を持った熟練オペレーターが必要になります。一方でインクジェットは無版のため現場での操作が簡素化でき、スキルレスという点で作業負担を大幅に軽減、作業人員を削減することも可能です。
おわりに:
東京インキは、総合色材メーカーとして印刷インキ、合成樹脂の着色材、各種プラスチック製品に至るまで、製造設備・分析機器を活用して豊富な実績を上げています。
本稿で取り上げたインクジェットに関しては、インクの選定のみならずヘッド、プリンターの各種機器を含む要素技術を、アプリケーションに合わせてカスタムメイドでご提案します。インクジェットに関連してお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
