ジオセル擁壁工法 施工概要 ・施工場所:長野県千曲市(姨捨の棚田) ・最大壁高:3.75m ・勾配 :1:0.8 ・施工面積:17.5㎡
長野県千曲市に位置する重要文化的景観「姨捨の棚田」の災害復旧工事において、東京インキのジオセル工が採用されました。棚田の貴重な景観を守りながら、被災したのり面を復旧するという課題に対し、現地の地形に柔軟に対応できるジオセルの特長を生かした施工を実施。のり面の安定性を確保するとともに、周辺景観との調和を図る取り組みとなりました。
姨捨の棚田は、日本の棚田百選に選定され、国の重要文化的景観や日本遺産にも認定されている、地域の貴重な景観資源です。今回の現場では、被災したのり面の復旧にあたり、のり面の安定性を確保するだけでなく、棚田が持つ歴史的・文化的な景観を守ることが重要な課題となりました。一般的なのり面復旧で用いられるふとん籠工では、十分な強度を確保するために、熟練工による中詰め作業が必要となります。建設現場で人手不足が深刻化するなか、施工性に優れ、景観にも配慮できる復旧方法が求められていました。
今回の施工は、長野県庁の農地整備課からの紹介をきっかけに、千曲市で発生した崩壊のり面の復旧にジオセル工を採用されたものです。ジオセル工は、急勾配や曲線のあるのり面、資材搬入が難しい狭小地にも対応できることが特長です。また、前面に覆土して植生を促すことで、周辺の自然環境や景観との調和を図ることができます。こうした特長を生かし、現地の条件に応じたのり面の復旧と、棚田の歴史的・文化的な景観保全の両立を目指しました。
本事例は、のり面の復旧にとどまらず、地域の貴重な景観を次世代へ引き継ぐという視点から、ジオセルの新たな活用可能性を示すものです。東京インキは、約20年にわたりジオセルの普及と施工実績の蓄積に取り組んできました。これまでの土木分野での実績を基盤に、近年では農地整備や林務分野などでも活用が広がっています。今後は、棚田をはじめ、茶畑やみかん畑など、歴史的・文化的な景観や周辺環境への配慮が求められるさまざまな場面での活用も期待されます。
東京インキでは、ジオセルを活用したさまざまな土木資材・工法を展開しています。ここでは、農業分野での活用例をご紹介します。農道橋段差抑制工法農業用水路を跨ぐ農道橋の段差対策にジオセル(グランドセル®)を使用した路盤補強工法です。路盤上に展開したジオセルに砕石などを充填し、ジオセルの拘束力により安定した路盤を構築することで、車両の輪荷重を分散し、轍掘れや不等沈下を軽減して路盤の強化・安定をはかる路盤安定システムです。