Tokyoink

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「東京インキは、国産初のポリエチレン用マスターバッチを1955年に商品化したパイオニアで、マスターバッチ(*1)とコンパウンド(*2)に代表されるプラスチック向け着色剤を主力商材とする化成品事業を展開しています。また現在では着色に限らず、何かしらの機能をプラスチックに付与する添加剤マスターバッチも多岐にわたって取り扱っています。一般の方がこうした製品を目にする機会はほとんど無いと思いますが、当社の売上の50%は化成品で売り上げています」

「用途は、食品・衣料品・日用品の包装用フィルム、電化製品、OA関連等のハウジング、農業資材、自動車の内外装、半導体実装基板、医療用品など。ひっそりとですが、身の回りの実にさまざまなものに使用されています」

「確かにそうです。ですがそれはそれでリアルな市場動向として受け止めることで、次にどう動くか考えるのが私たちの仕事です。例えば当社では約20年前から生分解性樹脂用マスターバッチを手がけていますが、先駆的だっただけに最初は営業先でもほとんで手応えがありませんでした。しかしこれが今では発売当時の何十倍もの売り上げになっています」

「市場の要求にマッチした形でプラスチック加工メーカーに対して何が提案できるか。それを考えるのが営業の役目。そのために市場動向と顧客企業のニーズを調査し、それを開発部門に伝えるまでが営業の仕事です」

山本

「国から『2030年までにバイオマスプラスチックを200万トン導入』という目標が2021年に示されたことで、プラスチックに関わる企業は現在、『環境対応』という業界共通の課題と向きあっています」

山本

「例えば少し前、プラスチックのストローに替えて紙ストローを導入するケースが話題になりましたよね。そうした局面でバイオマス由来樹脂を提案し、環境対応の選択肢として改めてプラスチックを俎上に載せたり、リサイクル材料を使用する場合は、成型不具合や物性低下といったデメリットを踏まえて、添加剤による課題解決を探ってご提案する。そういった提案を心がけています。」

山本

「 100年企業として培ってきた知見が強みということもあって、フワッとした段階でお困りごとを伺うことはよくあります。トライ&エラーを繰り返してその最適解を見つけていくのが醍醐味です」

「私が担当しているのは、化粧品やシャンプーをはじめとする日用品全般の容器です。容器ならではの難しさは『パッケージをデザインするデザイナーさんが目指す色を実現する』という点にありますが、マスターバッチというのは基本的に色だけではなく『+機能』でオーダーメイドするもの。肌に触れたり、口に含んでも大丈夫な安全性の高い素材を選定したり、法律に照らしてその内容物ごとに求められる仕様があるものなので、設計はお客さんごと案件ごとに変わってきます」

「当社には小ロット専用ラインがあり、『小ロット・多品種・短納期』と小回りよく対応できる強みを持っています。マスターバッチは最低5kgからオーダーいただけることもあって、新規顧客と新しい開発テーマに取り組む機会もたくさんあります。そうした案件のプレゼンや、そこから発展した大きな仕事でさらなるチャレンジができるのがおもしろいところです」

吉澤

「インパネ、ピラー、バンパーといった自動車の内外装に用いられる樹脂というと、誰もがイメージする色は黒やグレーだと思いますが、例えば今、環境問題やSDGsを背景に車の所有が減り、カーシェアの利用が伸びています。そうなってくると同じ黒い内装でも、傷つき防止の処方ができないかというニーズが出てきます」

吉澤

「間伐材を原材料とするセルロース繊維を20〜40%程度混ぜ込んだ素材や、最近では『敢えてつぶつぶ』が入っているリサイクル材料を使った素材もラインナップしています」

吉澤

「粒のサイズや色付けも独自に設計した製品で、インパネなどへの採用を視野に顧客に提案しています」

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